なぜFXトレーダーは期待値に注目すべきなのか?
FXをやるときに、“正しい=勝つ”ということはどのくらい価値があるものですか?10回のトレードで8回あなたが勝ったらうれしいですか?もし半分の5回でもOKですか? では、2回だったら? 何回までだったらOKですか?
これはとても重要な質問のようですが、大局的に考えるのであれば、勝つこと/勝率は小さなことかもしれません。
FXでは、“お金を稼ぐこと”と“いつも正しい(いつも勝つ)”ということは両立するものではないということを理解しなければならないのです。つまり、お金を稼ぐことは、勝率が高くなくても成り立つということです。
リワードリスクレシオというものがありますので、それを例にとって説明しましょう。
*リワードリスクレシオ=損切りの幅と利食いの幅のバランス(報酬比率)のことです。
損切りの幅が1000円 利食いの幅が2000円とするとリワードリスクレシオは
2000 ÷ 1000 = 2 となります。 または、2(利益):1(損失)という言い方もあります。
(例)
あなたは、1年間で50回トレードし、80%負けたとします。損失を計算してみるとトレード1回の平均損失額(平均損切り幅)は10000円でした。つまり、あなたは、トレードで50回中40回負け、40万円を失ったへっぽこトレーダーのように思われます。
しかしながら、勝った10回のトレードを見てみましょう。
勝った10回のトレードの平均利益額(利食いの幅)は、とても大きく50000円でした。つまり10回のトレードで50万の利益を獲得したことになります。
40回の負けで失った金額は40万でしたので、実は50回のトレードで10万円の利益が残りました。つまり、20%の勝ちで利益を残せたのです。
では、別のシナリオを見てみます。
例えば、あなたが80%間違っているのではなく、80%正しいとしたらどうでしょう? このことは、あなたが、数ピップスで利益を確定してしまう場合に起こります。
負けトレードに関しては、損失をうまくコントロールできないから起こるのです。40回の勝ちトレードの平均利益が5000円。10回の負けトレードの平均損失が50000円。結果、勝ちは20万、負けは50万となり、マイナス30万です。
これらの例は、正しいこと=勝率にこだわるべきではないということです。こだわるべきはすべてのトレードの期待値です。
期待値は、トレード戦略の中で一番重要な要素の一つです。しかし、残念なことにたいていのトレーダーは、この要素を軽く見て、トレード一つ一つの利益にこだわります。
期待値は、基本的にあなたがリスクをとった結果、損得する金額です。
期待値の公式は以下のようになります。
期待値 = (平均利益 x 勝率)-(平均損失 x 負ける確率)
それでは、例で詳しく説明してみましょう。
Aさんのトレード口座には、百万円が入ってます。1年間トレードしてみると、H氏は以下のことがわかりました。
勝率は40%で、1回のトレードの平均利益は25000円。
負けた60%の平均損失は、10000円。
さて、Aさんの期待値はいくらでしょうか?
期待値 = (25000円 X 0.40) – ( 10000円x 0.60) = 10000円 – 6000円 = 4000円
これは、長期的にみると、Aさんはトレードで毎回4000円勝つだろうという意味になります。
Aさんは、負けトレードが多いにも関わらず、明確な期待値をもたらすことができるというのがわかるでしょう!100回トレードすれば、40万(4000円x100)の利益を得るのです。.
反対に、Aさんがとても高い確率で勝つことができたとしても、平均利益(絶対値)が平均損失(絶対値)より小さい場合、長期的にお金を失っていきます。
例えば、
Aさんの平均利益を10000円とし、勝率を60%とします。40%の負けトレードの平均損失を20000円とした場合どうなるでしょう?
期待値 = (10000円 x 0.60) – (20000円 x 0.40) = (6000円 – 8000円) = -2000円.
これが、Aさんの期待値となります。
これは、Aさんがすべてのトレードで毎回2000円を失うだろうという意味になります。もちろん長期的に考えて、ではありますが、この期待値でトレードする限り彼の口座はゼロになるでしょう。
ポイントは、勝率が90%のトレーダーが長期的にお金を稼げていると思いこむな!ということです。
FXで利益をだすためには、勝率が高いことが重要なのではありません。明確な期待値をもつことです。
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